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最高裁判所第二小法廷 昭和44年(あ)361号 決定 1969年6月18日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人梅谷光信の上告趣意第一点のうち、判例違反をいう点は、引用の判例が事案を異にし本件に適切でなく、その余は、単なる法令違反、事実誤認の主張であり、同第二点のうち、判例違反をいう点は、原判決は、選挙運動のために使用する労務者や事務員と選挙運動者とを、相対立するものとして二者択一的な解釈をしているものとは認められないから、所論は前提を欠き、その余は、単なる法令違反、事実誤認の主張であり、同第三点のうち、判例違反をいう点は、原判示に沿わない事実関係を前提とするものであり、その余は、単なる法令違反、事実誤認の主張であり(なお、選挙運動のために使用する労務者として雇い、労務賃名義で公職選挙法一九七条の二、第一項第二号(い)(ろ)所定の基本日額および超過勤務手当相当額を支払って、その領収証を徴収し、かつ、そのことを選挙管理委員会に報告した場合においても、その者に候補者のための投票依頼または投票勧誘等の選挙運動を依頼し、その報酬として右労務賃名義の金員を支払ったものであるときは、その支払は、同法二二一条一項一号にいう選挙運動者に対する金銭の供与にあたるものと解するのが相当である。)、同第四点ないし第六点は、単なる法令違反、事実誤認の主張であって、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。また、記録を調べても、同法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 城戸芳彦 裁判官 色川幸太郎 裁判官 村上朝一)

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